日本でのてんかん患者はどれくらいいる?

日本国内のてんかんの患者数については、外国の推計をもとに算定したデータと、厚生労働省が実施している患者調査のデータの2つがあります。
前者は、世界の先進国全体のてんかん患者数が1000人あたり5人と推計されていることをもとに算定したもので、このデータをもとにすると日本の全人口のうち60万人から100万人程度はてんかんの症状にかかっていると考えられます。
これは、人口1千人に対する人数に換算すると5から8人程度、割合で表現すると120から200人に1人はこの病気を抱えているということになります。

一方で、厚生労働省では定期的に実施している患者調査でてんかんにかかっている人の数の推計を行っています。
最新の2014年の調査ではてんかんの患者数は約25万人と推計されていますが、前述の外国の推計をもとにした患者数とは結果に大きな開きがあります。
これはこの調査が主病名のみを調査しており、他の病気に伴う症状としててんかんを患っている場合は調査結果に反映されないのが主な理由と考えられています。
例えば、脳腫瘍の患者にてんかんの症状が見られる場合は当然脳腫瘍が主病名として登録され、調査結果では脳腫瘍の患者数としてカウントされます。

国の調査でてんかんを患っている人の数が少なく評価されがちな理由としてはこの他にも、てんかんが他の脳や神経の病気と間違えて診断されることがしばしばあることも理由の一つです。
日本社会においてこの病気に関して誤解や偏見が根強く残っており、仕事や学業への影響を不安視して病院で症状を訴える人が少ない点などが挙げられます。

2つの患者数に関するデータには大きな開きはありますが、いずれにしても日本人にとっててんかんはそれほど珍しい病気ではないということがわかります。
しかし、前述のように日本の社会でまだこの病気に対する理解が不足していることなどから、すべての患者を捕捉できているとはいえず、厚生労働省による詳細な調査の実施が望まれています。

海外のてんかん患者の割合はどれくらい?

では、視点を日本人から世界に向けてみましょう。
世界のてんかん患者は、人口に対しておよそ0.5%~1%にあたるとされていて、その割合は約5000万人といわれています。
その中で最も多いのが幼い子供や新生児の発症です。
その約5000万人のうちの約85%、つまり約4200万人以上は発展途上国の患者で治療すらも満足に行われていないことが問題視されています。

人は神経細胞や筋繊維に対して脳からの指令が出ていて、それは指の先まで張り巡らされています。
この適切な指令が送れなくなると身体を動かすことに支障が出るのです。
何らかの理由で、てんかんは必要以上の指令が脳内で起こってしまい興奮状態になります。
脳のどこの部分で引き起こされたかによって症状が違い、四肢などが痙攣したり、突然意識を失ってしまうなどの欠伸発作があります。

ほかにも、力が入らなくなる脱力発作や瞬間的に筋肉の収縮が起こるミオクロニー発作などの発作があるのが特徴です。
こういった発症原因となる電気的興奮が、左脳に発生すると右半身に発作症状が現れ、右脳に発生すると左半身に発作が出ます。
限られた脳の単一の部分に発生する単純部分発作については意識を失う事はありません。

反対に複数の部分に発生した場合は、ほとんどの場合は意識を失ってしまいます。
ときに呼吸困難など生命存続に関わることも少なくありませんが、多くを占めているのは瞬間的な発作が3分間未満で、患者の約7割は薬物治療て発作を抑制する事ができます。
残りの3割は薬物療法では抑制できない難治性のてんかん患者とされます。
反復する発作により、病態の悪化だけでなく精神的障害や臓器障害などを引き起こす可能性もあります。